水戸市長選挙 2003/04/27

 

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有権者 192,684人  確定投票率 51.64%

加藤 浩一  無    新    78,092  60

小室 たか  共産  新      16,585  53

       

 

東京新聞 2003.05.01

加藤・水戸新市長初登庁

 二十七日の水戸市長選で当選した加藤浩一・新市長が三十日、同市中央の市役所に初登庁した。市職員ら約三百人が拍手で出迎え、同じく二十七日の選挙で当選した前市長の岡田広参院議員や新市議らも駆け付けた。

 加藤市長は「県都にふさわしい、活力に満ちた元気な都市となり、市民が本当に住んで良かったと思える都市となるように努力していきたい」とあいさつ。職員には「市民が求めていること、最も優先すべき課題を十分に考え、知恵を出し合ってほしい」と注文した。

 記者会見では、周辺市町村との広域合併と中心市街地活性化、少子対策を重点施策として列挙。外部監査の導入などにより行財政改革を進めていく方針を示した。

  (小林孝一郎)

読売新聞

水戸市長、加藤氏が初当選  4月27日

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  午後九時の開票開始から間もなく当選確実の知らせが入ると、水戸市元吉田町の加藤氏の選挙事務所では、詰めかけた支持者から歓声が上がり、大きな拍手に包まれた。 

 加藤氏は「財政的には大変だが元気な水戸市を取り戻す。行財政改革や医療や高齢者福祉の充実に、市民と手を取り合って力を尽くします」と力強く抱負を語った。 

 岡田前市長の参院選出馬に伴い、二〇〇五年十月の実施予定が繰り上がった今回の市長選。昨年末の県議選で五選を果たし、今年一月、念願の議長に就任したばかりだったが、「水戸の衰退に歯止めをかけたい」と出馬を決意した。 

 選挙戦では、「元気都市・水戸」をスローガンに掲げ、「広域合併による五十万都市構想」「中心市街地の活性化」を掲げた。「優先順位の低い事業を切り、行財政改革を成し遂げる」ときっぱり主張した。 

 本格的な選挙準備に入ったのは告示の約一か月前だったが、自民党、さらに連合茨城の推薦も得て、商工団体、農協、医師会、労組など六百団体以上の幅広い支援態勢を構築。三期を務めた市議時代以来の後援会も一丸となり、陣営には危機感はなかった。 

 加藤氏は「市長就任後、できる限り早く周辺市町村を訪問し、五十万都市構想について話し合いたい」と言葉に力を込めた。 

 一方、三回連続の挑戦となった共産党公認で同党市副委員長の小室たか氏(53)は、選挙期間中、一日二十五か所以上を精力的に遊説して回った。JR水戸駅南口や中心市街地の再開発計画の中止、福祉や教育の充実などを公約に掲げ、イラク戦争反対も強く訴えた。 

 同市城南の選挙事務所で小室氏は支持者らを前に、敗戦の弁を述べた。
 


水戸市長選候補の横顔   4月22日

加藤 浩一さん 60 無新
 ◆もう一度元気な都市を

「元気都市・水戸を取り戻す」がスローガン。「生まれ育った水戸で、なじみの店が次々と閉店していくのを見るのは忍びない」と話す。

 車販売会社に勤めていたが、一九七五年に市議に初当選。その後県議に転じ、昨年十二月の県議選では三回連続のトップ当選を果たした。一月に県会議長に就任したばかりで、「出馬するべきか悩んだが、水戸を変えようという気持ちが勝った」と語る。

 「財政の基盤を確立し、優先順位の低い事業は削る。その上で住民参加により街づくりの力を引き出す」とビジョンは明確だ。子供のころ、近くの提灯屋で、困りごとに耳を傾けていた市議の姿を見かけ、政治へのあこがれを抱いた。両親と妻(60)との四人暮らし。

小室 たかさん 53 共新
 ◆弱者への思いは人一倍

スローガンは「市民の暮らしと福祉を守る政治」。「政治の光が当たらない弱い立場の人が増えている」と感じ、急きょ市長選出馬を決めた。

 国立水戸病院で一九七一年から九年間、看護婦として働いた。月に十回以上の夜勤や、休暇もなかなか取れない厳しい状況を目の当たりにし、「責任ある看護のためには労働環境の改善が不可欠」と、組合づくりの先頭に立った。組合活動を通じて共産党に共鳴、七七年に入党した。

 長男に難聴の障害があったため、つきっきりで言葉の訓練をしようと七九年に退職。高齢者や障害者への思いは人一倍強い。三十人学級の導入、保育園、特別養護老人ホームの増設が公約に並ぶ。夫(51)と長男、長女の四人暮らし。

 

 

茨城新聞 2003年4月21日付

 五十六年ぶりに統一地方選へ復帰した水戸市長選。新顔二人の一騎打ちながら、三連続の「自民系対共産系」の構図に、ムードはこの日の雨空と同様、”湿りがち”。

 加藤浩一氏(60)は地元の本町二丁目商店街で第一声。約百人の支援者を前に、五十万人県都構想をぶち上げた。「投票率が前回市議選(55・71%)並みなら八万票は獲得したい」と陣営。個人演説会も四度企画し、政策を生の声で訴える。

 小室たか氏(53)は城南二丁目の駅南平和公園前で第一声。約六十人を前に「暮らし、福祉を全力で守る市政に転換したい」と訴えた。「基本戦術は一日約二十五回の街頭演説」と陣営。参院補選、市議選とのトリプル効果で支持拡大を図る。